ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「ベトナムは人間としてのあるべき姿を思い出させてくれる」30代男性 / 製造業勤務

2019/04/05 10:10 JST配信

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。

今回は、大学院卒業後、大手電気機器メーカーに就職され、現在ベトナムで活躍されている30代の男性にインタビューしました。

ベトナムでの仕事と海外就職の決め手

? 現在のお仕事について教えてください。

現在ベトナム南部にある、日系メーカーの工場で勤務しています。工場長というタイトルこそ付いてはいませんが、実際には1つの工場を任せてもらっていて、生産回りから人的管理まで全ての管理をさせて頂いています。

元々ベトナム人だけで回っていた工場でしたが、初めてその工場に日本人を常駐させることにより、経営層の意図をより反映しやすくすることを期待されています。また、中長期的視点での工場運営の提案を歓迎してもらえる環境ですので、その点についてもやりがいを持って取り組んでいます。

? 入社の決め手は何でしたか?

一番は、 現場のベトナム人社員が楽しそうに働いていたこと です。楽しそうというと語弊があるかもしれませんが、日系メーカーは安価な労働力を求めて海外に進出している訳で、低賃金はある程度仕方がないにしても、どうしても自分の中で「労働力搾取」のイメージが抜け切らず、課題に感じていました。

そんな時、現在の会社に出会い、右肩上がりの成長が見込める「商売の安定性」と、経営層の「社員の幸せを考える」姿勢に共感ができたため、入社を決めました。また、中小企業ならではの、自由度の高さや業務の幅広さも魅力の1つでした。

ベトナム人と働く苦労と魅力

? 入社してみていかがですか?

現在の工場は、高度な安全製品の生産を行っており、完全品質を保証できる生産体制が強みとなっています。ですので、この強固なベースを使えば、もっと出来ることがあると感じています。前述の「中長期的な工場運営」において、 新規事業の立ち上げができる環境だと感じ、経営陣と夢のある話ができています

? 日本での仕事と比べて、苦労していることはありますか?

ベトナムでの駐在経験もあったのでわかってはいましたが、やはりベトナム人スタッフが時間にルーズなことですね。仕事の期限を守らない、遅刻など、色々ありますが、 「時間を失うことに対する抵抗感」がない ことに、多くの日本人は違和感を感じるのではないかと思います。また与えられた仕事を終えると堂々と暇をするので、その点では自分のマネジメント力を向上させることで乗り越えねばならない課題だなと感じています。

? 逆にベトナムの良さとは?

仲間意識が強いことや人の温かさ ですね。会社のメンバーを「仲間」と捉えるところや、大切な人をとことん大切にするところ、それから、自分が親切にしてもらったら、必ずその御礼をするところなどは、非常に義理堅いと思います。 日本人がどこか忘れてしまった、人間としてのあるべき姿を思い出させてくれる ような気がします。

ベトナムでの今後のキャリアプラン

? ご自身の将来やキャリアについては、どうお考えですか?

実は、先ほどお伝えした点にベトナムの魅力を感じて、 自分はベトナムに骨を埋めるつもりで来たので、ベトナムにずっといるつもり です。仕事の面では、死ぬまでに一度は「自分が考えたことがビジネスとして成り立つかどうか」、世に問うてみたいと考えています。現組織の中で新規事業という形でチャレンジをさせてもらうことができれば、その予行練習になるのではと期待しています。

? 日系製造業の将来性や伸び代についてはどうお考えですか?

私が世界経済の潮流を読めればエコノミストなんて要らない訳ですが、それでもやはり他の国に持っていくよりも、ベトナムは日本人と気質が合うという点で、日系製造業にとって進出のメリットが大きいと思います。

ベトナムの場合は、その立地条件、宗教、人口ボリューム、歴史的背景、彼らの受けてきた教育など総合的に考えると、今後益々 “日本にとって” 良い国になるだろうと思います。基礎教育に関しては、まだ弱い部分もあると思いますが、資金が入ることによって徐々に解決されていく問題だと考えています。

海外就職を目指す方へのメッセージ

? 最後に同じ30代の方に向けて一言お願いします

転職を考えつつ、踏みとどまっている方々に対して。喉元過ぎれば~と言うように、過ぎ去ってしまうと、実は大したことなかった、ということがほとんどだと思います。自分も転職活動の時はあれこれ悩みましたが、悩んでいる時間が勿体無かったなと思います。

というのも、 「転職」を意識した時点で、いつか転職するもの だと思うからです。映画のように、幕が下りれば、次の映画を楽しむ。一生を使って色んな映画を見るんだ、と考えることができたので、自分は飛び込めました。「逃げ」や「他責」の転職は良くないとは思いますが、新たな目標が見つかったのであれば、是非次の映画を見るつもりで飛び込んでほしいと思います。

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
働きがいのある在ベトナム企業ベスト100、ユニリーバが1位に (14:19)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)は19日、「働きがいのある在ベトナム企

カマウ省:戦勝遺跡地区を建設、ベトナム戦争の戦闘で勝利の地 (13:07)

 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam Doi - Cai Nuoc - Cha La)戦勝遺跡地区の起工式を開催した。同省共産党委員会のグエン・ティエン・ハイ書...

ホーチミン:12月運行開始のメトロ1号線、運賃決定 (6:46)

 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の運賃を規定する決定を発表した。  決定によると、運賃は乗車区間の距離によって異...

ハノイの街角、アヒルを連れて散歩する名物男性 (17日)

 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳)が、手に持った棒で地面を叩くと、生後4か月の真っ白なアヒルは「散歩の時間だ」と理解し、クアンさんの...

マレーシア、ベトナムの9か国目の包括的・戦略的パートナー国に (6:32)

 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り行われた歓迎式典の後、アンワル・イブラヒム首相との首脳会談に臨んだ。  両首脳はこの席で、両国間...

チン首相、ドミニカ共和国大統領と会談 FTA交渉を提案 (5:45)

 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル・コロナ大統領と会談した。  両首脳は、2005年7月7日の外交関係樹立以来、初のハイレベル訪問となる...

ホーチミン:ドンコイ通りの小売スペース賃貸料、世界14番目の高さ (5:33)

 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した、世界のブランドショップ街の小売スペース賃貸料動向に関する年次調査レポート「世界のメインストリート(...

自宅でヒキガエル肉を調理、児童1人死亡・1人重篤 (4:20)

 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと発表した。  19日昼、南中部高原地方ダクラク省クロンパック郡に住むY君(11歳)は、自分でヒキガエルの...

教員の4割超が給与と保護者のプレッシャーに悩み (4:14)

 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した調査結果によると、教員の25.4%が学校内で、8.2%が学校外で生徒向けに補習授業を行っている。  この...

エクセル・クリエイツ、ハノイに駐在員事務所を開設 (3:46)

 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪市)は11月、ハノイ市に駐在員事務所を開設する。  これを機に、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国...

ハノイ:国際建築展示会「ベトビルド」、11月27日から開催 (2:47)

 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、11月27日(水)から12月1日(日)まで、国際建築展示会「ベトビルド・ハノイ2024(第4回)(VIETBUILD Ha Noi 202...

米空軍、ベトナム空軍に練習機5機引き渡し 国防協力の重要な節目 (21日)

 米空軍は南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット空港で20日、ベトナム空軍に米国製の練習機「T-6テキサンII(T-6 Texan II)」5機を引き渡した。  式典は、米空軍太平洋空軍司令官のケビン・B・シュナ...

タイWHA、タインホア省で工業団地開発 投資総額80億円 (21日)

 ブイ・タイン・ソン副首相は19日、北中部地方タインホア省で計画されているWHAスマートテクノロジー工業団地のインフラ整備案件に関する投資方針を承認する決定第1431/QD-TTgに署名した。  投資主は、タイ...

ビンファスト子会社、シュナイダーなどとグリーンエネルギーで協力 (21日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)の子会社、ビンファスト・エネルギー(VinFast Energy)は、

車両の排ガス基準のロードマップ、25年1月1日施行 (21日)

 チャン・ホン・ハー副首相は、輸入車両と国内製造・組み立て車両に求められる排ガス基準の適用ロードマップを規定する首相決定第19号/2024/QD-TTgに代行署名した。同決定は2025年1月1日に施行される。  首...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved