初めまして、G.A.コンサルタンツベトナムの関と申します。私どもは2006年よりベクラムバンク(VieclamBank)という人材紹介ブランドのもとでウェブサイトを運営し、ベトナム人登録者向けに主に日系企業での採用支援をしております。
本コラムでは、稚拙な経験ではございますが、人材ビジネスを通じて見聞きした私なりのベトナム人観につきまして、出来る限り皆様の日々の仕事にお役に立つ情報をお届けしていきたいと思っています。これからどうぞ宜しくお願い致します。
ベトナム人の就職・転職観の変化
今回第1回ということで、インパクトのあるテーマの方にすべきかなどあれこれ考えましたが、ベトナム人の就職・転職観の変化についてまずお話させて頂くことにしました。
今から10年近く前、私どもがまだビジネスの立ち上げ段階にいた頃ですね、当時は本当に日系で人材紹介を手掛けるところも少なく、多くの外資系企業ではトゥオイチェー(Tuoi Tre)新聞、ベトナムニュース(Vietnam News)などの日刊新聞の求人広告が使われていました。それに次ぐ形であったのが求人ウェブという程度でした。
私どもも同様に求人広告を利用し、多くの候補者と面接を重ね、そして、晴れて数名の若手を採用することが出来ました。勿論初めての採用ですから気合も入ります。教育にも時間を掛け、私なりに丁寧に相談に乗ったり、フィードバックもしていたつもりです。
ところがです。1か月も経たない内に彼等から辞職願いが次々とメールでやってきました。理由を聞くと、「会社の将来性に期待が持てないから」「人事制度などが整っていないから」など。整備されていないところがあれば一緒に作っていくつもりでしたから、これを聞いた時は肩の力が抜けていくような思いになったものです。
その後の話は想像にお任せして割愛致しますが、この時自らの至らなさを反省すると共に感じたことが日越間の「就業観の違い」でした。