IT系での新しいキャリアの形
IT系エンジニアも上述の通り、キャリアの上昇カーブが緩やかになり始めるまでに適職探しをします。開発でもアウトソーシング系に行くのか、自社プロダクト・サービス系に行くのか、専門職系、マネジメント職系に行くのか、などなど。ある程度見えてくるまでは、躊躇なく転職を繰り返し「ベトナム流」キャリアアップをしていきます。
そこまでは他の業種と似ているのですが、ここ最近ITエンジニアの間でユニークな動きが出始めました。日本でもランサーズ、クラウドワークスといったサイトを通じて個人で開発を受託するように、「Freelancer.com」というサイトでウェブの制作を副業で手掛ける事例が増え始めています。
例え今の仕事で理想の給与が手に入らなかったとしても、職場環境は良いし、仕事にもそこそこ満足しているし、といった30代エンジニアの副業手段として注目されているのです。但し、日中は本業があるため(本業そっちのけで副業をする輩もいますが・・・)、業務時間外や週末を利用しての副業となり、なかなかリラックスする暇がないのが難点です。
ベトナムで「日本流」の組織作りは機能しない
日本とベトナム、その取り巻く環境や歴史的に辿ってきた道のりには大きな違いがあり、それが一部就業観に反映されていますが、最後に紹介した事例のように新しい産業については日本とベトナムとさほど違いが見えません。
むしろ「Linkedin」の活用などは、ベトナムの方が日本よりも進んでいるくらいです。とはいえ、結局のところ求職者が仕事に対して何を望むかが全てでもあります。年齢、家庭状況、労働市場からその人がどんな就業観を持っているのか面接を重ねる度毎に想像できるようになります。
ほぼ全員が辞めない前提で組織を作る日本流はご存知の通りベトナムではうまく機能しません。長期・短期雇用の人材を織り交ぜながら、入れ替わりがある前提で、辞職されても動じない、ベトナムならではの組織作りをして頂ければと思います。