
ビンソンヘビ養殖村協会の会長であるグエン・バン・ティンさん(男性)は、毒ヘビ養殖歴42年のベテランだ。ティンさんによると、村の人々はかつてヘビ毒も販売していたという。ティンさんは、もし東欧市場が変動していなければ、ビンソン村の人々の経済状況は間違いなく今よりずっと発展していただろう、と話す。「1992年当時、ヘビ毒は金よりも高価だったんですよ」。
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長年にわたってヘビを養殖する中で、多くの家庭は物質的にも精神的にも生活の質が向上した。村には複数階建ての近代的な家屋が建ち並び、農村の交通システムも急速に発展し、広々とした学校や診療所などの社会福祉施設も建てられた。
ティンさんによると、ビンソン村では毎年約2000tのヘビの餌が消費され、自然の餌では需要を満たすことができなかった。そこでティンさんは、廃棄される鶏や家禽の頭や首に微量栄養素を加えてヘビの餌にする研究を行い、現在は全てのヘビ養殖世帯がこのタイプの餌を使っている。
ビンソン村人民委員会のハ・バン・フン副主席によると、ビンソン村は毎年ヘビの養殖で数千億VND(1000億VND=約5億6500万円)を稼いでおり、経済的価値の高さからフン氏自身も20年以上にわたりヘビの養殖に携わっているという。
また、2022年には、ビンソン村はベトナム版ギネスブックのベトナム・ブック・オブ・レコード(ベトキングス=Vietkings)から「ベトナムでコブラ養殖の許可を取得した世帯数が最も多い伝統工芸村」として認定された。
経済的価値は非常に大きいヘビ養殖だが、常に多くの潜在的なリスクが伴い、養殖者の命は常に危険にさらされていることから、ビンソン村の人々はこの仕事を「死と隣り合わせの仕事」と呼んでいる。フン氏もヘビに4~5回は噛まれたことがあるという。
「一番痛かったのは指を噛まれた時で、焼けるような激しい痛みを感じました。それでも、私たちには応急処置の経験があります。ヘビに噛まれた時の治療のポイントは、安静にして、傷口に止血帯を当てて毒が心臓までまわらないようにすることです。次に傷口を洗い、身内に連絡して、薬を使い、診療所に行って次の処置を受けます。その後、ハノイ市のバックマイ病院に移送され、さらに治療を受けることもあります」とフン氏は語る。