結婚3か月で夫が寝たきりに、10年変わらぬ夫婦の愛の形

2019/07/28 05:05 JST配信

 チュンさんの退院後、田舎には働き口がなかったため、チャンさんはしばらくハノイ市で飲み物やトウモロコシを売って生計を立てていたが、現在はハノイ市郊外のタインチー郡で工員として働いている。給与は月に450万VND(約2万1200円)だ。

(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net
(C) vnexpress.net

 チュンさんの母親のビンさん(67歳)も時々仕送りをしてくれるという。「息子夫婦には子供はいませんが、チャンさんは1人で9年もの間息子の面倒をみてくれています。チャンさんには心から感謝しています」とビンさんは語る。ビンさんは変形性脊椎症を患っているため、チュンさん夫婦がハノイ市へ移り住んで以降、チュンさんには一度も会えていない。

 チャンさんもまた、ハノイ市へ来てから帰省したのは母方の祖父が亡くなった時の一度きりだ。その日はチュンさんを隣近所に預けて出かけることにしたが、チュンさんを夜に1人で寝かせるわけにはいかないと、早朝にバスに乗って田舎へ帰り、葬儀を終えるとその日の午後には田舎を発ってハノイ市へ戻った。「この9年、故郷でテト(旧正月)を祝ったことはないですね」。そう話すチャンさんの頬を涙がつたう。

 チャンさんは毎朝5時に起床するとチュンさんの体位を変え、身体をマッサージして血の巡りを促す。終わると、体重わずか35kgの細腕でチュンさんを抱えて椅子に移動させる。「私も若い頃はふっくらとして可愛かったんですよ。今じゃこんな風になっちゃいましたけどね。チュンさんが元気になったら、私のことを年寄りだとか醜いだとか言って、別の若い子の方に行っちゃうのかしらね」とチャンさんが冗談めかして言うと、チュンさんはチャンさんの方へ頭を向けて笑った。

 チュンさんの身支度や食事を終えると、チャンさんは慌ただしく自分の食事を用意し、着替えて7時過ぎには出勤する。「お利口さんでいてね。喉が乾いたらお隣さんに聞こえるように大きな声を出すのよ。じゃあ、行ってきます。お昼には戻るからね!」

 チュンさんは全身不随ではあるが、意識ははっきりとしている。しかし、そうとは知らない人たちは部屋の外でチュンさんのことや、夫婦の境遇についてあれこれと話すことがある。ベッドの上でそれを聞いているチュンさんは1人涙を流す。こんな時、チャンさんはどうしようもなくいたたまれない気持ちになるという。

 まだ元気だった頃のチュンさんはとても気遣いある人だった、とチャンさん。交際していた当時、チャンさんが盲腸で入院した時は身の回りの世話をしてくれたそうだ。今のような暮らしで一番辛いのは夫だとチャンさんは言う。

前へ   1   2   3   次へ
[vnexpress.net 13:15 5/7/2019, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 西北部地方ソンラ省からハノイ市に向かって100km余りの道のりをブレーキもない自転車に乗って一人で走...
 母親は少女が小学校1年生の時に家を出て行き、父親は遠くへ出稼ぎに行ってめったに家に帰らない。山地...
 ホーチミン市9区ハイテク工業団地で2015年12月、工場労働者の女性9人が不審な男にヒト免疫不全ウイルス...
 紅河デルタ地方ティエンルー郡ジチェー村に住むホアン・クオック・ベトさんが掴んだ現在の成功は、視覚...
 彼らは病院で出会い愛し合うようになるが、その時にはもう女の方は重い病気に侵されていた。女は故郷へ...

新着ニュース一覧

 ドナルド・トランプ米大統領は2日、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を科すと発表した。180以上...
 ブイ・タイン・ソン副首相 兼 外相は、5月に予定されているトー・ラム書記長のロシア訪問と「対ナチス...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 北中部地方クアンビン省人民委員会は、マーク・ナッパー駐ベトナム米国大使が1日午後、同省の指導者と...
 ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない1...
 政府は3月28日、電気料金の調整メカニズムを規定する政令第72号/2025/ND-CPを公布した。同政令は即日施...
 財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と米インテル(Intel)は2日、「コミュニティのた...
 株式会社ニトリホールディングス(北海道札幌市)は4月11日、ベトナム4号店としてグローバル旗艦店「ニト...
 日本政府は3月28日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市キエンアン区の水産・食品技術短期大学(元:技術経...
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ドナルド・トランプ米大統領がベトナムを含む世界の貿易相手国・地域を対象に追加関税を発表したことを...
 政府は3月31日、輸出入関税の優遇措置に関する政令第26号/2023/ND-CPの一部を改正・補足する政令第73号...
 4月に施行される新規定2本をまとめて紹介する。 1.電子署名証明書の分類  電子署名・トラスト...
 公安省交通警察局の統計によると、道路交通分野の交通安全秩序に関する行政違反処罰を規定する政令第16...
 駐シンガポール・ベトナム商務部によると、シンガポール食品庁(SFA)がベトナム産の一部の食肉製品と鶏...
トップページに戻る