同美術博物館に関する様々な噂話も言い伝えられている。中でもよく知られた話は、「チュー・ホア氏の娘の幽霊が出る」というもの。1973年には、ホラー映画「コンマーニャーホフア(Con ma nhà họ Hứa=フア家の幽霊)」が公開され、大きな話題となった。
(C) vnexpress, ホーチミン市美術博物館 |
(C) vnexpress, 80年前のエレベーター |
しかし映画は映画、あくまでも作り話で、チュー・ホア氏に娘はいなかったそうだ。映画が話題となり、「娘の幽霊が出る」という噂話が一人歩きしてしまったのだと同美術博物館のガイドは打ち明けた。
フア氏は1901年に死去。残された一家は1975年、海外へ移住した。その後、この建物はホーチミン市美術博物館として生まれ変わり、現在まで当時の姿を残している。
同美術博物館は、フランス植民地時代にインドシナ美術学校とザーディン美術学校で学んだ芸術家や1975年から現在に至るまでの芸術家の作品、考古学の遺物を含む2万1000点余りの収蔵品を有している。また、チュー・ホア氏の遺品も展示されている。
考古学関連では、南部の石製品、土器、陶磁器のほか、チャンパ(2世紀から15世紀後半ごろまでベトナム中南部の沿岸地方に存在したベトナムの初期国家)の遺物などが展示されている。
開館時間は9時から17時までで、休館日は月曜日。入場料は外国人1万VND(約57円)、ベトナム人3000VND(約17円)となっている。