バクニン省:1000年の歴史ある養蚕村に伝統断絶の危機

2015/06/07 07:17 JST配信

 紅河デルタ地方バクニン省イエンフォン郡タムザン村にあるシルクの伝統工芸村、ボングエット村落には、1000年の歴史がある。しかし時代の流れには打ち勝てず、このシルク村は衰退しつつある。

(C) vietnamplus
(C) vietnamplus

 74歳のチュー・ティ・トゥーさんは、シルク村が繁栄していた時代を知る一人だ。当時はどの家でも桑を植え、蚕を飼い、織物を織っていた。村の老若男女の誰もが、それぞれにふさわしい形でシルク生産に参加していた。国の内外から仲買人が買い付けに来ていたため、村民の生活はかなり裕福だったという。

 ところが約7年前から、シルク生産に携わる養蚕農家がわずか10世帯ほどになってしまった。それも一部の生産工程を担うだけだ。3世帯は品質の高い繭を外部で仕入れて、製糸している。桑を栽培している家も減り、女性が糸車を使って手作業で製糸する姿はほとんど見られなくなった。

 一部の養蚕農家は伝統を守りたいとシルクの生産を続けているが、かつてのように桑を植えてから製糸までの全ての工程を行ってはいない。品質の良い繭を仕入れて、細々と絹糸を生産しているにすぎない。

前へ   1   2   次へ
[Vietnam plus,27/05/15 10:5,O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市ミーディン国家会議センターで3月28日から4月1日まで、第132回IPU(列国議会同盟)会議が開催さ...
 ハノイ市ハドン区の伝統工芸村バンフックで生産される「ハドン・シルク」または「バンフック・シルク」...

新着ニュース一覧

 この1か月ほど、特に3月末に開催された「バインミーフェスティバル」以降、ホーチミン市から全国各地、...
 英国航空サービスリサーチ会社のスカイトラックス(Skytrax)が発表した「世界の空港トップ100(The World...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区にあるベトナム軍事歴史博物館は4月12日(土)から、入館料を徴収する。同博...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ハノイ市の北西約50kmに位置する北部紅河デルタ地方ビンフック省ビントゥオン郡ビンソン村は、「ヘビ養...
 ファム・ミン・チン首相は10日に政府会合を主宰し、米国による相互関税措置への対応として、商工相を団...
 電子商取引(eコマース=EC)プラットフォームの「ラザダ(Lazada)」の最新レポートによると、東南アジア...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は9日、米ワ
 2008年に85歳で死去した故ボー・バン・キエット首相の夫人ファン・ルオン・カム氏が9日早朝に死去した...
 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)は、9日付けで社名を正式に変更した。  新社名は以下の...
 ホーチミン市1区のサイゴン動植物園は、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)を記...
 米国の関税政策に関する東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別経済大臣会合が10日午前にオンライン形式で開...
 政府本部で8日午後、全国63省・市における自由貿易協定(FTA)の実施結果を評価する「FTAインデックス202...
 統計総局(GSO)がこのほど発表した「空間別生活費指数(Spatial Cost of Living Index=SCOLI)」2024年版...
 デンマークの玩具メーカー大手レゴ(LEGO)は9日、東南部地方ビンズオン省の第3ベトナム・シンガポール工...
 パソコン・スマートフォンソフトウェアおよびハードウェア製品の企画・開発・販売を手掛けるソースネク...
トップページに戻る