ベトナムを訪問した加藤勝信厚生労働相は5日、ダオ・ゴック・ズン労働傷病兵社会相と会談し、技能実習制度の見直しについて説明した。
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日本は1993年に外国人技能実習制度を成立。技能・技術または知識を開発途上地域などへ移転することによって、当該地域などの経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的としていたが、安価な労働力目当てとなっているのが実態で、「現代の奴隷制度」と度々批判されてきた。
賃金未払いなどの問題に加えて、外国人実習生が虐待などの人権侵害を受けるケースも後を絶たず、外国人実習生の離職・失踪を引き起こす要因となっていることで、日本政府は昨年、制度の本格的な見直しを検討すると明らかにしていた。
制度の見直しについては、当時各メディアが「廃止」という言葉を使って報じていたため、多くの技能実習生を送り出している東南アジア各国からは不安の声が上がっていた。これに先立ち開かれた有識者会議では、制度見直しの過程において、現行制度の「廃止」との文言が使われていたが、これについて加藤厚労相は、「プログラムの全てを廃止するという訳ではない」と語った。
一方で、加藤厚労相は、技能実習制度が一部のケースで悪用されているとし、単純労働者を生み出している状況を説明。「今回の制度見直しは、新たな人材育成とシステムの保護のために必要なもので、我が国の外国人労働者受け入れのターニングポイントになる」と強調した。