新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続く中、社会保険を脱退し、社会保険金を一括で受け取る労働者の数が増加傾向にある。
(C) vnexpress |
ホーチミン市社会保険機関によると、2022年1~3月期に社会保険金の受け取り手続きを行った労働者の数は3万7000人以上で、前年同期と比べて+19%増と大幅に増加した。
同市直轄トゥードゥック市タインミーロイ街区ドンバンコン(Dong Van Cong)通りにあるトゥードゥック市社会保険機関庁舎では、開庁時間が午前7時半からとなっているにもかかわらず、8日午前4時ごろから社会保険金の受け取りを希望する人々が長蛇の列を作って待つ光景が見られた。
社会保険金の受け取り条件として、◇失業から1年が経過していること、◇社会保険の加入期間が20年未満であることが挙げられる。
午前4時半から列に並んでいるというLさん(女性・27歳)は、待っている間に息子におかゆを食べさせながら現地紙のインタビューに応じ、「新型コロナの影響でこの1年間は失業しており、社会保険金の受け取り条件が揃った。加入期間は6年間で、約7000万VND(約38万円)もらえる」と述べた。現在、Lさん夫婦はどちらも収入がなく、やむを得ず社会保険金を受け取ることにしたという。
強制社会保険の料率は現在、本人負担8%、会社負担17%となっている(適用期間:2022年1月1日~2022年6月30日まで)。
本人と会社が支払う1年間の社会保険料は約2.6か月分の給料に相当するが、社会保険金を一括で受け取る場合、労働者は1年につき1.5か月分(2013年までの加入期間)・2.0か月分(2014年以降の加入期間)の給与に相当する金額しか払い戻してもらえない。
社会保険金を一括で受け取れば大きな損失を被ることになるが、それでもLさん夫婦のように、生活のために保険金を受け取らざるを得ない人が大勢いるようだ。