ベトナム社会保険機関は、今年に入ってから社会保険金を一括で受け取る労働者の数が増加傾向にあることを受けて、全国の各省・市の社会保険機関に対し、一括受け取りを避けるべきことの広報活動を展開するよう指示した公文書第932号/BHXH-TTを発出した。
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文書は社会保険の意義や価値などについて説明している。◇労働者にとって年金は高齢者になってからの生活を保証する安定した収入となり、自立した生活をする助けになること、◇年金額は、消費者物価指数や経済成長率に基づいて政府が定期的に見直すこと、◇労働者本人が死亡した際に葬祭費補助金や死亡手当が遺族に給付されることなどの利点がある。
一方、社会保険金を一括で受け取ってしまうと、こうした便益を享受する機会を失ってしまう。また、受け取る金額も少ない。1年間に支払う社会保険料は給料の2.64か月分に相当するが、一括で社会保険金を受け取る場合の金額は1年に付き1.5か月分(2013年までの加入期間)・2.0か月分(2014年以降の加入期間)相当に減額されてしまう。
一括で受け取った後に再度社会保険に加入した場合は、ゼロからやり直すことになり、年金を受け取るための十分な納付期間を確保できない、または確保できても金額が少なくなる可能性が高くなる。