国内最高レベルの病院として知られる保健省傘下のバックマイ病院(ハノイ市)における医療機器の調達価格の水増し事件で、同病院と事業提携しているBMSメディカル・テクノロジー社(BMS Medical Technology=BMS)の役員2人が逮捕された。公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)が明らかにした。
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逮捕されたのは、BMS会長 兼 社長のファム・ドゥック・トゥアン容疑者(男)と副社長のゴ・ティ・トゥー・フエン容疑者(女)の2人。また、問題の医療機器の価値評価を担当したハノイ価値評価金融サービス社(Ha Noi Valuation And Financial Services=VFS)の従業員であるチャン・レ・ホアン容疑者(男)も在宅起訴された。
3人はいずれも刑事法第174条に抵触し、詐欺・資産横領容疑で捜査を受けている。
BMSはバックマイ病院との事業提携のもと、医療機器を調達して同病院に導入し、双方は患者から受け取る治療費を分け合う形で事業を進めてきた。
資金源が限られているベトナムの公的病院が外部の業者と事業提携し、先方が資金を拠出して先進的な医療機器を調達し、病院に導入することは、医療分野における官民提携事業として知られている。
こうした事業提携は法律のもとで認められているが、今回の事件では、BMSが医療機器の調達価格を数倍も水増し、それを患者の負担となる治療費に転嫁していたことが判明し問題になった。
BMSは2005年の設立。これまでに全国の病院における医療機器供給契約を異常に高い確率で落札している。2020年に入ってから落札した契約はすでに20件近くに達している。売上高は増加を続け、2019年に7520億VND(約35億円)まで膨らんだが、対して利益はわずかで、2019年は1億8000万VND(約83万円)程度に留まった。