スウェーデン在住のベトナム系男性サン・ファンさんは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と疑われる症状が表れたため、保健機関のホットラインに連絡したが、治療を拒否されて自宅隔離を求められ、その4日後に死亡した。
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スウェーデン南部スマランド地方に住む、妻のフオン・ファムさんによると、夫は4月10日ごろから咳などの症状が表れた。保健機関のホットラインに電話をかけて夫の病状を説明したところ、担当者から症状がなくなるまで自宅で隔離するように言われた。
フオン・ファムさんは地元メディアに対して、「夫はひどい症状に苦しんでいて、医者の診察を希望していましたが、その願いは叶いませんでした」とコメント。
担当者に言われた通り自宅で隔離することにしたが、14日朝になって病状が悪化。サン・ファンさんは自室の電話で自ら救急車を呼んだとみられるが、救急車が到着した時には既に死亡していた。その後、医師によりフオン・ファムさんの新型コロナ感染が確認された。
死亡したサン・ファンさんは、40年以上前にスウェーデンに移住。ネッシェー市内で多くのレストランを経営する実業家だった。妻のフオン・ファムさんは、今後のレストラン経営について、夫がいなければ継続していくことは難しいと話している。
なお、スウェーデンではこれまでに1万5300人あまりの新型コロナ感染者が確認されており、1700人余りが死亡している。