世界1万都市以上の大気質と気象データをリアルタイムに提供するアプリケーション「エアビジュアル(AirVisual)」は8日、ベトナムでのサービス提供を再開した。App StoreとGoogle Playからダウンロードが再び可能となっている。
(C) AirVisualスクリーンショット |
これに先立ち、エアビジュアルは6日、ベトナム人利用者から多数の「1つ星」の低評価を受けたことでベトナムでのサービス提供を自発的に一時停止した。
ベトナム人利用者からの低評価が相次いだ理由は、ハノイ市とホーチミン市の2大都市が大気汚染で世界トップになったとエアビジュアルが評価したことを背景に、化学講師の有名フェイスブッカー「ブー・カック・ゴック(Vu Khac Ngoc)」がフォロワーにエアビジュアルのボイコットを呼びかけたためだ。
ゴックさんは、自身のフェイスブックページへの投稿で「『ハノイ市が大気汚染で世界トップ』というのは、エアビジュアルが空気清浄機を売る目的で操作した情報だ」と主張した。
これに対してエアビジュアルは、「ハノイ市とホーチミン市が上位になったランキングは、1万以上の都市の全てを集計したものではなく、約90の大都市の大気汚染を評価したもの。そのため、『ハノイ市の大気汚染は世界1位』などといった表現は誤った理解だ」と説明している。
こうした中、ゴックさんの憶測めいた書き込みは不適切であり、大気汚染に苦しむ人々にも損害を与えたとして、彼を非難する声が多くあがっており、本人のフェイスブックページのフォロワーの数も35万人から一挙に18万人へと減少している。
ベトナム全国各地では9月下旬から濃い煙霧(スモッグ)が立ち込めている。煙霧は、空気中湿度が高く曇天が続いている中で畑焼きの煙が塵(ちり)や、砂ぼこり、工場や自動車によるばい煙などと相まったことが発生原因とされる。