ベトナムでは最近、携帯電話やパソコンなどの端末でメッセージのやり取りをする際に使われる「絵文字」のバネ人形が人気沸騰中だ。
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中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上でこのバネ人形の動画が拡散されて人気を呼び、中国から輸入されたバネ人形がハノイやホーチミン市などの大都市を中心に流行りだしたかたちだ。
ここのところ行商がバネ人形を売り歩く姿が増え、SNSでも人形の画像が拡散されるようになり、バイクのハンドルやマフラー、ヘルメットなどに人形を付けている人が急増している。ある販売者の女性は5000体を輸入したところ、わずか10日間で完売したという。
なかには1体や2体だけでなく、大量の人形を車体に付ける人も現れ、ひょうきんな顔をした人形がゆらゆら揺れる姿はなんとも目立つ。バネ人形の頭部には笑顔や泣き顔など感情を表した「絵文字」の顔が描かれていて、その種類は実に豊富だ。
価格は黄色い絵文字のバネ人形が1体1万~2万VND(約47~94円)、最近出回るようになったヒーローや動物の図柄のバネ人形は3万~3万5000VND(約142~165円)ほど。一番高いのはヘルメットを被ったアヒルと風車が付いたもので、6万~7万VND(約283~330円)となっている。
ところが、爆発的な人気を呼んでいる一方で、SNS上ではこのバネ人形が不吉だとする声も多数上がっている。ベッドの枕元に付けた晩から眠れなくなったとする人や、目撃した事故車はみんなボンネットにバネ人形を付けていたとする人もいる。これに対して、事故の原因は運転手の注意散漫によるもので、バネ人形のせいだというのは迷信だと反論する声も出ている。
バネ人形を売る男性によれば、当初は1日60~70個売れていたのが最近では「旬」が過ぎたのか1日20~30個に落ち着いているといい、輸入を止める販売者も出てきているという。