ベトナム戦争時に米軍が散布した枯葉剤の影響で結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」の弟、グエン・ドクさん(36歳)が、4月に広島国際大学(広島県東広島市)の客員教授に就任する。
ドクさんは同大学で平和や命の大切さについて年に数回の講義を行う予定。ドクさんは地元紙のインタビューに対し、「光栄なことにこれまで何度か日本で講演を行ってきましたが、今回大学の客員教授に任命していただき、驚きとともに幸せと誇りを感じています」と語った。
ドクさんは2016年10月、市民団体「広島ベトナム平和友好協会」の招きにより初めて広島を訪問。その際に同大学の久保田トミ子副学長に「日本で働きたい」との意思を表明したことが客員教授就任のきっかけになったという。
ドクさんは2006年に結婚し、2009年に男女の双子が生まれた。分離手術により兄弟を救った日本人の支援に対する感謝を込めて、それぞれ富士山と桜にちなみ、男の子を「グエン・フー・シー」、女の子を「グエン・アイン・ダオ」と命名している。