(※本記事はVIETJOベトナムニュースの取材によるものです。)
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ベトナム戦争時に米軍が散布した枯葉剤の影響とみられる結合双生児として生まれたグエン・ドクさん(41歳)は、ウィズコロナ時代の日本とベトナムとの文化交流、そして平和教育の活性化に意欲を示している。新型コロナ禍では、感染者治療の現場に関わり、自らも新型コロナ感染を2回も経験した。その後遺症が残る中、ウクライナでの戦火を憂慮し、戦争被害者としての経験を語り継ぐ決意を新たにしている。
ドクさんは、日本で「ベトちゃんドクちゃん」の愛称で呼ばれていた双子の弟になる。1981年、南中部高原地方コントゥム省で兄のベトさんと下半身がつながった状態で生まれたが、1986年にベトさんの容態が悪化。日本に緊急搬送され、大きく報じられた。
2人はその後、1988年にベトナムで分離手術を受ける。兄のベトさんは長く寝たきりの状態が続き、残念ながら2007年に亡くなった。ドクさんは職業学校でコンピューター関連の技能を習得し、医療事務職に就いた。2006年には結婚し、2009年に男女の双子が誕生した。いまもホーチミン市に家族で暮らしている。
取材場所でドクさんは「初めまして、きょうはよろしくお願いします」と、流ちょうな日本語で挨拶してくれた。元気そうな様子だったが、実は新型コロナウイルスに2回も感染し、外出できるようになったばかりだという。