24日未明、ベトナム伝統音楽研究家で、音楽家のチャン・バン・ケー(Trần Văn Khê)氏が入院先のホーチミン市ニャンザンザーディン病院で死去した。94歳だった。同氏は5月27日に心不全と重度の肺炎を発症して入院。人工呼吸器が装着され、この1か月は寝たきりの状態が続いていた。
(C) vnexpress, チャン・バン・ケー氏 |
同氏は、ベトナム人として初めてフランスの大学で音楽博士号を取得。その後、パリ・ソルボンヌ大学で教壇に立ち、ベトナム伝統音楽の普及に貢献し、UNESCOの国際音楽評議会(IMC)名誉会員にも選出された。これまでに、ベトナムやフランス、日本などで数々の古典音楽賞を受賞している。
同氏は2004年に、これまで研究拠点としてきたフランスからベトナムに帰国。過去の研究で使用した数千冊もの書籍と大量のビデオテープもそのまま持って来た。子供の頃から病弱だったというが、帰国以降は高齢のため、体調を崩すことが多くなり、入退院を繰り返すようになっていた。
なお、葬儀は同市ビンタイン区にある自宅で26日から28日まで行われ、29日に東南部ビンズオン省の火葬場で荼毘に付される。