北中部クアンチ省では現在、同省ゾーリン郡ゾーアン村にある約2000年前の水道網を修復するプロジェクトが進められている。この水道網は約30か所の石造りの水汲み場に繋がっており、数百年にわたって、地元の人々の生活用水および農業用水として利用されてきた。このうち、14か所の水汲み場は2001年にベトナムの国家遺産に登録されている。
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(C) vnexpress, Rau Lietと呼ばれる野菜 |
この水道網は、かつてベトナムで栄えたチャンパ王国のチャム族が建設したもので、当時の農業文化を現代に伝える貴重な文化遺産。同省の関連機関によると、世界遺産委員会への登録申請も検討されているという。
また、この水道網を利用して地元の農家では、この地域の特産物であるクレソン(Rau Liet)を栽培している。この野菜はベトナム中部の各省に出荷されており、この地域の農家にとって貴重な収入源となっている。
水道網は、道路が整備されていない場所にあるため、工事で使うための機械などを持ち込むことが出来ず、修復は全て手作業で行わなければならないという。プロジェクト費用は30億VND(約1680万円)の見通し。