時代と共に消えてゆく昔ながらの商売

2013/08/28 10:04 JST配信

 この十年ほどの間にすっかり姿を消してしまった商売がいくつかある。例えば、ガスライターや靴の修理、鶏やアヒルの羽毛を買い集めて売る商売などだ。VNエクスプレスが報じた。

(C)  Vnexpress
(C) Vnexpress

 50年以上前から廃品回収を生業にして、7人の子供を育てたホーチミン市在住のラインさん(67歳)は、90年代には鶏やアヒルの羽毛を集めて売る商売もしていたという。あちこちの路地をまわって民家から羽毛を買い集め、業者に売るのだ。当時、羽毛は日本へ輸出する布織物の材料として非常に高く売れた。しかし、最近は布の原材料も安い輸入品が増え、羽毛の需要が低下した。

 また、昔はどこの家でも生きた鶏やアヒルを買って帰り、自分で羽を抜いたものだが、今ではほとんどの人は市場で処理してもらうか、すでに処理されたものを買う。さらに、現在は多くの市場で生きた家禽類の販売が禁じられているため、羽毛を買い集めることもできなくなってしまった。

 ホーチミン市タンビン区の路地で店を開くリンさん(36歳)は、約18年間、ライターの修理やガスの補充などを生業としてきた。10年ほど前まではガスライターにガスを補充して使い続ける人が多く、当時リンさんは、この商売で近所の人たちよりも多くの収入を得ていたと話す。しかし近頃は新品のライターを安く買えるようになったため、ライターの愛好家を除いて、修理やガスの補充をしに来る客はほとんどいないという。

 40歳になるタムさんは、靴の修理や縫製をして12年になる。10年ほど前までは修理に来る客も多かったが、安い靴が出回るようになったことで、修理してまで同じ靴を履き続けるという人は少なくなった。さらに、無料で靴の修理を行う販売店も増えた。そのためタムさんは、靴修理のほかに、海外のカタログなどを参考に自ら靴を作って売っているが、それでも生活するには十分でないと話している。

[VnExpress, Thu Sau, 16/8/2013 06:31 GMT+7U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ホーチミン市タンビン区で廃品回収をしている女性が昨年末に買い取ったスピーカーを解体したところ、ス...
 かつては月に金の延べ板1枚ほども稼いだこともあったという時計修理工のファットさん、今はその黄金時...
 デジタルカメラやカメラ付携帯電話が普及するに連れて、ハノイ市中心部にあるホアンキエム湖周辺で仕事...

新着ニュース一覧

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)のファム
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は22日、ベトナムのテクノロジーユ
 電子商取引(eコマース=EC)データを手掛けるメトリック(Metric)が発表した最新レポートによると、2024...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 「幼いころからホーチミン市で暮らしてきた私たちきょうだいがここまで生きてこられたのは、ご近所さん...
 ベトナム・ブロックチェーン協会(VBA)加盟のブロックチェーン技術・人工知能研究所(ABAII)は24日、ブロ...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 不動産仲介業の世紀不動産[CRE](Cen Land)を子会社に持つ地場世紀グルー
 2024年1~9月期にベトナムから海外に派遣された労働者数は11万3896人で、前年同期から微増となり、年間...
 労働傷病兵社会省はこのほど、各方面への意見聴取を経て、2025年のテト(旧正月)(旧暦1月1日=新暦2025...
 商工省傘下の電子商取引・デジタル経済局(IDEA)によると、ベトナムでサービスを開始した中国発の越境電...
 ファム・ミン・チン首相は、ロシアのカザンで22日から24日まで開催されたBRICS首脳会議に出席し、現地...
 米国の組織・人事コンサルティング会社マーサー(Mercer)と投資専門家の世界的な団体であるCFA協会は、...
 森永乳業株式会社(東京都港区)のグループ会社である森永ニュートリショナルフーズ・ベトナム(Morinaga ...
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、インドネシアの国営航
 ベトナム商工連盟(VCCI)ホーチミン市支部(VCCI-HCM)とベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)は、11月20...
トップページに戻る