ハノイでは庶民がよく利用する食べ物屋や食堂で、客が店の主人から悪態をつかれるという場合が少なくない。ホーチミン市ではこうした現象は見られず、ハノイ特有のもののようだ。市場経済になってから20年以上が経っても、なぜハノイでは「お客様は神様」が通用しないのか、原因を探ってみた。20日付VNエコノミーが報じた。
消費者の立場から原因からみた原因は、ハノイ人が味にうるさく、おいしいものには多少の苦労は付き物と思っている事。配給制(バオカップ)時代の売る側が強い立場という意識が抜け切れていない事。高いプライド心から、悪態は自分につかれたものではないと考えている事など。
売る側の立場からみた原因もいくつかある。適度な収入があれば十分だと小商いに満足してしまう事で、北部の企業経営者にはこの傾向がある。また、地価が高く容易に店を拡張できない事が裏返り「ちびちびとこんな客商売しなくたって、この店は高く売れる」という心理となり、客への尊重を欠く態度を取らせる事。
さらに「悪評も評のうち」というマーケティング手法を知っている事。最後に、ハノイ人は保守的で変化を好まず習慣を変えようとする人が少ない事。これはハノイのサービス全般についても言える事だ。ただ、若い世代には確実に変化の兆しも見えている。