国を挙げてベトナム製品使用キャンペーンが行われているが、相変わらず国内市場は中国製品であふれかえっている。
中部高原地方ラムドン省ダラット市のアンフー市場で「ダラット特産」の各種ドライフルーツを販売している小売店の女主人は、すべてではないと断ったうえで中国産のものがあることを認めた。中国製品は仕入れ価格が安いうえ、人目を引く色を使っているので売れやすいという。
ホーチミン市や近隣各省では中国から輸入されたオレンジ、リンゴ、ナシ、ブドウなどが売られている。ある小売店の店主は中国製の果物を好んで販売する理由について、売れ残っても長期間腐らないことを挙げた。同市トゥードク区農産物市場では、同区植物保護検査所が毎月サンプルを採取して検査しているが、合成保存料が検出されたと通達を受けたことはないという。しかし、同市では輸入果物に使用されている合成保存料の把握さえされていないのが現状だ。
食品同様、中国製の工業製品も国内市場を席巻している。主なものは建設資材、インテリア製品、日用品、衣料品、履物など。これらの製品は、伝統的な市場をはじめスーパーや大規模ショッピングセンターに至るまでどこでも見かけることができる。ホーチミン市7区グエンティタップ通りのある建設資材販売店では、国内ブランドの名前の入ったタイルが売られていたが、店主に問いただすと中国製であることを認めた。同市10区トーヒエンタイン通りの多くの建設資材店でもこの状況に大した変りはなかった。