ベトナム鉄道総公社のゴー・ベト・クオン国防安全委員長によると、ベトナム国内への密輸品の持ち込みは、あらゆる輸送手段を用いることで容易に行なわれているという。クオン委員長はその一例として、中国国境のドンダン駅で原産地不明の総額6000万ドン(約32万円)相当の物品が摘発された事件を挙げた。
密輸品の大半は、輸入関税率の高い電子製品、家電、携帯電話、衣類、日用品などで、税関手続きに関する違反、一時輸入・再輸出に関する期限違反、活動許可のない地域での物品輸送などの違法行為が目立っている。また、地元住民を「運び屋」にしたり、政府の輸出入優遇策を悪用したりする手口も横行している。
一方中国側は、国内市場保護の観点から国境貿易政策を修正し、国境貿易発展のための財政支援を実施しているという。国境貿易を行なう地元住民の輸入関税免除限度額は、これまでの1人当たり1日3000中国元(約4万2000円)から8000中国元(約11万2000円)に引き上げられた。また、中国製品のベトナムへの輸出を円滑に行なうため国境に事務所なども設立されている。
商工省市場管理局のグエン・フン・ズン局長によると、ベトナム側も検査強化のための政策転換を図っているところだという。