ベトナムの旧暦3月10日は「雄(フン)王の命日(Ngay Gio to Hung Vuong)」で、ベトナムの数少ない祝日の1つ、かつ祝日の中でも唯一「文化的」な意味を持つ記念日となっている。2017年は新暦4月6日がフン王の命日に当たる。
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フン王はベトナム史上初の国家とされるバンラン(文郎=Van Lang)国の18代にわたる歴代王の総称。フン王の命日は、ベトナムの国家と民族の基礎を築くために尽力した18人の王の功績を称える行事で、2007年からベトナムの祝日に制定されている。
フン王はベトナムの伝説の王であるラック・ロン・クアン(貉龍君=Lac Long Quan)とアウ・コー(嫗姫=Au Co)の子息で、紀元前2879年から紀元前258年まで現在の東北部地方フート省に存在した文郎国を建国・支配した。
ベトナムには歴史上数々の王国が存在したが、文郎国が存在したフート省は現在のベトナム人の9割弱を占めるベト(キン)族の始祖が住んだ地とされ、文郎国もベトナム史上初の国家とされている。文郎国の中心地だったとされる同省ベトチー市中心部から10km離れたギアリン丘には、10~15世紀に建設されたフン寺歴史遺跡群がある。
毎年旧暦3月10日には、フン寺歴史遺跡地区とその周辺地域で「フン王祭り」が開催される。フン王祭りは約400万人が訪れるベトナム最大規模の祭となっており、フン王へ線香を手向ける儀式や銅鼓の演奏、獅子舞などが行われる。
現在、フン王を称える祭と民謡の3つが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産として認定されている。
フン王については、ベトジョーライフ(VIETJO LIFE)の「フン王(フンヴオン)命日~ベトナムの旧暦3月10日~」を参照。