金融市場:株式市場
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ベトナムの証券市場には、ホーチミン証券取引所(HSX、2000年設立)とハノイ証券取引所(HNX、2005年設立)の2か所があり、いずれも政府の管理下で運営されている。証券市場開設当初の出来高は非常に少なく、2005年年初の時点での上場社数は25社程度だったが、その後、上場企業数は大きく増加した。
ベトナムの証券市場の特徴として、国営企業や公社・公団系企業(およびその子会社・関連会社群)の民営化の実験場としての色彩が強い点が挙げられる。株式の上場と同時に政府持ち株を外部に売り出し、株の放出で得られた売却益を国家財政に充当するというのが通例になっている。一方で、規模は小さいものの、純粋な民間企業が今後の更なる成長のために上場するという例も近年に大きく増加している。
2024年の企業の政府資本売り出しは、株式市場の低迷を背景に振るわず、多くの取引が投資家の関心不足により失敗に終わり、2024年の政府資本売り出しの件数はわずか4件に留まった。新規株式公開(IPO)市場も非常に低迷し、同年にベトナムで行われたIPOの件数はわずか1件で、東南アジアで最少だった。さらに、HSXとHNXへの新規上場企業数も少なく、合計で12社に留まった。
2025年1月22日現在、両市場には計725社が上場しており、時価総額合計は約34.6兆円に上る。この規模は、日本の株式市場で言えば、時価総額1位のトヨタの0.8倍、時価総額2位の三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額の1.5倍に相当する規模となっている。
◆VN-index: ホーチミン証券取引所株価指数の推移
◆HNX-Index: ハノイ証券取引所株価指数の推移