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ヘビに噛まれて大事に至ることのないよう、村の各家庭の冷蔵庫には必ず血清が常備されているほか、村にはヘビに噛まれた際の治療を専門とする2人の医師もいるのだという。
そのため、最近はヘビに噛まれて命を落とす人はいなくなったが、各世帯が養殖を始めたばかりのころはヘビに噛まれるケースが多発し、年に200件近くもの事故が起き、多くの死者が出た年もあった。しかし、最近はヘビの養殖技術と応急処置の技術が向上し、ヘビに噛まれる件数も大幅に減少し、2024年にはわずか20件余りで死者はゼロとなった。
フン氏と同じく、先のティンさんもヘビに11回も噛まれ、最もひどい時は死にかけて手の指1本を失った。ティンさんによると、養殖されているヘビは獲物をとらえるために毒を分泌することがないため、野生のヘビよりも毒が強いという。そのため、ヘビに何度も噛まれるとアレルギーを起こし、適切なタイミングで応急処置を受けなれば、死に至る恐れがある。
「ここではヘビに噛まれることはいたって普通なんです。私は11回も噛まれましたが、怖くはありません。ヘビを捕まえた時に、知らないうちに噛まれていたこともありますが、血を見て初めて噛まれたことに気づき、応急処置をしました」とティンさんは話す。
直接触れるどころか、コブラを写真で見ただけで多くの人は恐れおののくだろう。しかし、ビンソン村の人々にとって、給餌や小屋の掃除、捕獲などの仕事は日々ごはんを炊くのと同じようなもので、女性たちも素手でヘビを捕まえることができる。
幼いころから両親にこの仕事を教えられてきたフン・ティ・クックさん(女性)は、以前はヘビの小屋に近づくのも嫌だったが、しばらくすると慣れてきて、高収入をモチベーションに徐々に恐怖心を克服し、ヘビに触れたり捕まえたりできるようになったのだという。
クックさんはこれまでに数えきれないほど多くのヘビを養殖してきた。そしてこの仕事によって、家族は毎年数十億VND(10億VND=約560万円)の収入を得ている。「今年は巳年なので、私たちはこのヘビ養殖村の一員であることをとても光栄に、誇りに思っています。今年はヘビ製品の価格が上昇し、市場も安定して、村の皆の生活が向上することを願っています」とクックさんは語った。