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何年も前のこと、ナイジェリア国籍のオコンクウォ受刑者が、麻薬を違法に輸送した罪で終身刑の判決を受け、トゥードゥック刑務所に収監された。収監されたばかりのころ、身長190cmのオコンクウォ受刑者はいつも無実を訴え、改心も受け入れず、食事も拒否し、他の受刑者とトラブルを起こしていた。
オコンクウォ受刑者は、片田舎の貧しい家庭に生まれ、色々な仕事をしてきたものの生活は不安定なままだった。2019年、オコンクウォ受刑者は友人に「ベトナムから古着や靴を持ち帰って売ろう」と誘われ、ベトナムに渡った。
しかし、しばらくして、自分が関わっているのは国境を越えた麻薬密売ルートだと気づいた。自分の仕事が違法であると分かっても、お金の誘惑には勝てなかった。判決によると、この麻薬密売ルートが摘発された際、オコンクウォ受刑者は430gのコカインを運んでいた。
オコンクウォ受刑者を改心させるため、チュン中佐は定期的に会話をし、ベトナム語を教え、自分の心境を見つめさせ、善悪を分析させた。こうした中で、チュン中佐は、オコンクウォ受刑者がその大きくて強い外見の裏に、感情的な面があることに気づいた。
2022年の初め、領事館の職員から父親の死を知らされたオコンクウォ受刑者は、子供のように泣きじゃくり、何日も飲まず食わずで過ごした。
「私は彼と話し、励ましました。そして、残された母親や他の家族のことを考えるように言いました。それ以来、彼は正気になり、やる気を取り戻しました。今も改心に努め、故郷で待っている年老いた母親の世話ができるよう、一刻も早く減刑されることを願っています」とチュン中佐は語った。