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東南部地方ビンズオン省トゥアンアン市フンディン街区在住のチャン・トゥエット・フオンさん(女性・50歳)はこのところ、テト(旧正月)用に販売する生姜の砂糖漬け作りに大忙しだ。フオンさんの家族は、70年もの間、生姜の砂糖漬けを作り続けている。
ビンズオン省では、トゥアンアン市のビンニャム街区とフンディン街区の周辺に、約100年もの伝統を有する生姜の砂糖漬けの伝統工芸村が集まっている。
「父方の祖母は生涯、生姜の砂糖漬けを作り続けていました。このあたりではもう、数軒しか作っていません」と、フオンさんは乾燥させる生姜を運びながら話す。
ビンズオン省の生姜の砂糖漬けの特徴は、他の地域のように生姜を薄くスライスするのではなく、原形を保ったまま白砂糖をまぶすという点だ。今年のテトに、フオンさん一家は前年よりも100kg少ない、300kg分の生姜の砂糖漬けを作るという。
「きっと経済的に厳しいご時世だから、テトの買い物も減っているんでしょうね。他のところと比べたら、うちはまだ多く作っているほうですよ」とフオンさんは語る。
テト用の砂糖漬けのシーズンは、旧暦9月から始まる。この伝統工芸村の各世帯では、辛みと香りが強い、南中部高原地方ダクラク省から仕入れた生姜のみを使う。生姜は手のひらほど大きく、食べたときに繊維っぽくならないよう、寝かせすぎない新鮮なうちに加工する。
生姜は皮をむき、きれいに洗う。平均して1人あたり1日に約5kgの生姜の皮をむく。それから生姜をトレイに並べて、針のついた機械で押しつぶす。
フオンさんの夫であるリー・ホアン・バンさんは、自作の針のついた機械に生姜を並べたトレイを乗せ、生姜を押しつぶす。この機械で1日に約20kgの生姜を処理することができ、この作業をすることで、生姜が柔らかくなり、風味がより均一になる。