(C) dantri 写真の拡大 |
(C) dantri 写真の拡大 |
「グループは、他のグループの縄張りでお金を稼ぐことは許されません。トラブルは避けたいので、同じような境遇の人たちと積極的に友達になるようにしています」とカンくんは語る。グループの誰かの稼ぎがなかった日には、食事を分け合う。彼らにとって最も嬉しいことは、路上で働く皆が知り合いで、いつでもお互いを助け合えることだ。
午前0時15分、1人の客がカンくんの空き缶に10万VND(約600円)を入れてくれ、カンくんは大喜びだ。ホーチミン市に来てからというもの、カンくんはまだ家族に電話することもできておらず、携帯電話を購入するために毎日こつこつ貯金しているのだという。
カンくんに家族や故郷についてたずねると、「もちろんお父さんが恋しいですよ!お父さんがいてくれて、一緒に暮らせていたら、こんなに大変な仕事なんてしなくてよかったのに」と笑い、「それに、また学校に通いたいんです」と付け加えた。
カンくん自身、自分がどうして学校に行きたいのかはわからないというが、「たぶん、学校に行ったら、将来は今よりもっと苦労の少ない、別の仕事に就けるんじゃないかな」と想像している。
ホーチミン市1区ファングーラオ街区の当局も、ブイビエン通りで火を吹くパフォーマンスをしてお金を稼いでいる子供たちが多数いることを把握しており、最近はそのうちの1グループを補導した。当局によれば、路上で生計を立てている子供たちは、片親または祖父母と生活していたり、親に捨てられたりと、特別な事情がある。
当局の担当者は、「こうした子供たちは、ファングーラオ街区には住んでおらず、別の場所からお金を稼ぎに来ているんです。我々が彼らを社会保護センターに連れて行っても、間もなくして家族が彼らを連れ戻し、また火を吹く仕事に行かせてしまいます。このいたちごっこが、ずっと繰り返されるんです」と話す。
当局は子供たちに対し、ガソリンを口に含んで火を吹く行為の危険性について繰り返し注意喚起し、説明してきた。また、観光客に対してもこうした子供たちにチップを渡さないよう呼び掛けるなどして、子供たちがこの危険な仕事を続けることのないよう、キャンペーンを行っている。