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観賞魚の愛好家で、ホーチミン市5区にあるルウスアンティン市場を知らない人はいないだろう。この市場は、午前3時から6時まで賑わい、その後は市場ごとすっかり「消えて」しまう。午前6時以降になると、市場のあったチャンフンダオ通りとルウスアンティン通りの角は車両で混み合い始める。
まだ日が昇らないうちから、この観賞魚市場は賑わい始める。グッピー、ブルーターザン、タイガー、フルゴールド、フルレッド、ベタ、ディスカス、キンギョなど、あらゆる種類の鑑賞魚が、50~60匹入りで1袋15万~20万VND(約920~1230円)で売られている。
コイやフラワーホーンなどの高級魚も、酸素ポンプを完備した状態で路上に陳列されている。市場を訪れる客の大半が男性で、気に入った種類の鑑賞魚があれば暗闇の中で袋を懐中電灯で照らして確認し、購入する前に値段を交渉する。
「この観賞魚市場のことは前から知っていましたが、今回初めて買いに来ました。ここの魚はきれいで種類も豊富だし、値段も普通のお店で買うより少し安いです。今日は家の水槽に足そうと思って、理想通りのキンギョを買いましたが、値段はたった20万VND(約1230円)でした」と、4区在住のフンさん(男性)は嬉しそうに語る。
観賞魚市場は午前4時頃に最も混雑し、売り手と買い手で通り全体が埋め尽くされる。この市場で鑑賞魚を売っているビンチャイン郡在住のグエン・タイン・タムさん(男性・42歳)とタムさんの息子は、古いバイクの後ろにくくり付けた木の棒に吊るして運んできた観賞魚の袋を、1つ1つ慎重に路上に並べた。
並べ終わると、すぐに買い手がやってきた。タムさんは顧客が魚を選びやすいように、懐中電灯を準備した。タムさんは、さまざまな種類の鑑賞魚を販売するため、自宅で飼育している魚のほかに、多くのブリーダーのもとを訪ねて商品を仕入れているという。
「以前は観賞魚専門店に魚を卸していたのですが、次第に競合が増えて価格競争が激しくなり、さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあって経営が厳しくなってしまいました。そこで、ここ3年ほどはこの市場に自分で鑑賞魚を持ち込んで販売しているんです。魚を売るのは楽しいですし、1日の利益も平均して50万VND(約3000円)ほどあるので、充分にやっていけます」とタムさんは話す。