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1990年代に入ると、ミン氏とチームは引き続き商品を改良し、店舗数を拡大していった。そして2007年、フックロンは国内市場と輸出に対応できる高品質の原料を確保すべく、東北部地方タイグエン省の茶畑に投資し、東南部地方ビンズオン省にコーヒーと茶の加工工場を建設した。
ミン氏は、とどまるところを知らないクリエイティブ精神で、茶葉とフルーツやシロップを組み合わせるなどして、伝統的な茶を若者のトレンドに合わせたユニークなドリンクに変えていった。
加工は今でも茶葉の選別から抽出まで手作業で行っており、特徴的な風味を生み出している。茶葉の栽培地から選別、乾燥、さらには独自のレシピによるシロップ作りまでこだわり、最も美味しく、最も新鮮な品質を保っている。
フックロンのフルーツティーにはピーチティーやライチティー、ハーブティーなど様々な種類があるが、登場して間もなく大きな話題となり、市場で関心を集めた。こうしてフックロンは瞬く間に人気を集め、コーヒーや茶の「信者」からも好まれるようになっていった。
どのようにしてこういったドリンクを生み出すことができたのかと聞かれると、ミン氏は「仕事が仕事を教えてくれたんです」と答えた。つまり、当時は茶のいれ方やコーヒーの焙煎の仕方を教える学校などなく、経験を積むための人生という「学校」しかなかったのだ。