(C) VnExpress |
「この仕事の原則は、お金をけなさないこと。額面がいくらだろうと買い取ります」とロアンさん。1週間で100万~150万VND(約6100~9090円)分の紙幣を集めてから、銀行に引き換えに行く。
ロアンさんは毎日、商売の最中に意図せず破損した紙幣を受け取ってしまうことが多い飲食店や個人商店が集まるエリアや、マンションのあるエリアなどを中心に、バイクで走り回っている。商売以外でも、日常生活の中でうっかり財布のファスナーにひっかけて紙幣を破ってしまったり、料理中に紙幣を燃やしてしまったりすることもある。
一方、ロアンさんと同じく破損した紙幣を買い取っているチャン・ラムさん(男性・31歳)は、主にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で客を集める「次世代」の業者だ。ラムさんは、紙幣の状態を確認して買い取り額を決めるために、客にザロ(Zalo)やフェイスブック(Facebook)で紙幣の写真を送ってもらっている。
「紙幣全体の60~70%以上の面積が残っていれば買い取ります」とラムさん。この仕事を始めてから最初の3か月は、偽札や、損傷があまりにも激しい紙幣を買い取ってしまい、銀行で引き換えができず、損をしていた。
何度か客にだまされてから、ラムさんは偽札の見分け方を学び、さらには紙幣を引き換える客の服装や乗っている自動車、外見を観察し、経験を積んだ。「もし、お客さんが自宅に紙幣を受け取りに行かせてくれなかったり、どもったりするようであれば、その人は偽札を渡そうとしている可能性が高いです」とラムさんは説明する。
南中部沿岸地方クアンナム省出身のラムさんの本業は配車アプリの運転手で、収入を増やすために6か月ほど前から破損した紙幣の買い取りをしている。ラムさんはバイクの後ろに「破れたお金、古いお金、買い取ります」という文言と電話番号を記した看板を掲げている。
ラムさんにとって、この副業はそれほど大変ではないという。ラムさんは、紙幣を引き換えるためにエアコンの効いた銀行の中で座って待つ時間は、本業の合間の休憩時間だと考えている。