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さらに、フーイエン省のシーグレープの木は海風を吸収しているため、圧縮した時に独特な塩の模様が形成される。葉が違えば仕上がりも異なり、1つとして同じ模様のお皿はなく、それがこのお皿に独自性をもたらす。ハーさんは、葉っぱのお皿は環境を保護するだけでなく、自然そのものの循環のような、環境からの贈り物でもあると考えている。
葉っぱのお皿は紙皿やプラスチック皿と違って何度でも使用することができ、使用後は消毒をしてからジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫に保管することで、適切な湿度での保管が可能となる。
製造過程では一切の化学物質を使わないため、保管と再利用にも安全だ。ただ1つの注意点は、お皿を濡らさないように気を付けること。もし濡らしてしまうと圧縮した葉がふやけて普通の葉っぱに戻ってしまう。そのため、お皿に入れるのはナッツやムット(mut=果物などの砂糖菓子)など、乾燥したものが適している。
トゥエンさんとハーさんの葉っぱのお皿はヨーロッパの多くの国に輸出され、もうじき米国に3万枚が輸出される予定だ。しかしながら、輸出については問題もある。
ハーさんは2021年に圧縮したお皿を製造する機械を注文し、2022年6月にようやく機械を設置・稼働することができた。長い時間がかかったものの、それ自体は問題ではなかった。ここで言及しなければならない問題は、原材料であるシーグレープの葉についてだ。
ハーさんによると、以前フーイエン省には多くのシーグレープの木があり、収穫できる葉の量も充分だった。しかし、ここ数年はシーグレープの木を買いに来る集団が現れ、葉の供給源が少なくなってしまった。
そのため、現在お皿は国内市場に供給するのみで、海外輸出は制限せざるを得ない状況にある。将来的に生産量を増やすのであれば、今からシーグレープの木を植えて、収穫まで2~5年待つ必要があるという。