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母親が家出してから兄弟は互いに助け合って生きているが、2人を心配する村人や教師が時々食べ物や衣服を与えて支援している。
兄弟が通う小学校のクアット・ティ・ホア校長によると、全校生徒877人のうち14人が孤児で、34人が親の麻薬中毒や収監、家出などにより困難な家庭環境にあるという。「その中でも、ソン君兄弟の家庭環境は特別です」とホア校長は語る。
妻が出て行ってから麻薬を買うためのお金を貸してくれる人がいなくなり、ソン君の父親は禁断症状が出るたびに狂ったように暴れた。家中の物は破壊され、田畑は全て売られ、父親の怒りの矛先は2人の子供たちに向かった。
ソン君は思い出せないほど何度も身体にあざができるまで父親に殴られ、走って逃げ出したこともある。そのまま家に帰る気にもならず、弟を連れて村中をさまよい、疲れたらその場で休み、朝が来て学校に行けるのを待ったという。父親のことに言及するとソン君はガタガタと震え、目を赤くして「お母さんと一緒にいたい」と泣き出した。
2021年9月、ソン君の担任のロー・バン・ゴアンさん(男性・29歳)が、ソン君兄弟を自分の家で世話すると学校に申し出た。それからはソン君もヌー君も笑顔が増え、2人の体調と学力も著しく改善した。
放課後になると2人は先生の家で料理や掃除を手伝い、その後は教室で授業の復習をした。ソン君の学力は平均レベルだが、勉強熱心で、クラスで出される宿題もいつも頑張っているのだとゴアン先生が教えてくれた。