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先生たちの負担になることを懸念し、2か月後には2人の叔父が迎えに来て、2人は叔父の家で暮らすことになった。2人の父親は今年初めに麻薬更生施設に連れて行かれ、一家の木造の家は一時的に空き家になったが、暴力を受けていたことを思い出してしまうその家に、2人は帰りたがらなかった。
叔父の家で暮らすようになっても、ソン君は朝早く起きて朝食を準備し、弟を学校まで連れて行き、そして自分の授業に参加するという習慣を続けている。2人の母親は時々子供たちに電話をかけ、頑張って勉強するように励まし、なるべく早く迎えに行くからと約束するが、母親自身いつその約束を果たすことができるのかはまだわからない。
3月のある午後、授業の終わりを知らせる太鼓の音が鳴るとソン君は弟がいる1Bクラスまで走り、一緒に歩いて叔父の家まで帰った。家に着くと弟を風呂に入れ、朝に炊いた冷えたご飯をお碗によそい、数粒の塩を振りかけて弟に渡した。「ご飯はこんな感じだけど、それでもお父さんと暮らしていたときよりはずっと美味しいです」とソン君は胸の内を明かした。
将来について尋ねると、ソン君は弟の手本になれるよう一生懸命勉強して優秀な成績を収め、ゴアン先生のような教師になることが夢なのだと話した。「学校に行って勉強したい。お母さんと一緒に暮らしたい。僕を助けてくれた先生たちみたいに、苦しい環境にある子供たちを助けたい。そして働いてお金を稼ぎたいです」と、ソン君は語った。