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「職業訓練センターでは人生で初めて多くの人と接し、たくさんの友達ができました。記念撮影のときには皆で肩を組み、自分が仲間外れに感じることもありませんでした。皆それぞれが困難な環境にあるため、お互いをきょうだいのように思い合い、もはや自分と他人との違いなど感じませんでした」とハイさんは語る。
職業訓練センターで講師としてソーシャルスキルを教えているグエン・タイン・トゥイさんによると、ハイさんは学校でいつでもメモが取れるよう常にメモ帳とペンを手に持っていたという。また、当時のハイさんは痩せて身体も弱かったが、調理実習にはしっかりと参加し、一方で自分の容姿のせいで就職できるかどうかといつも心配していた。「ハイさんが卒業するときには、彼の努力が実を結んだことに感動して泣いてしまいました」とトゥイさんは当時を思い出して語った。
ハイさんは自分のケーキ屋を開くという夢を講師やクラスメイトによく語っていたものの、職業訓練センターを卒業した後もすぐに故郷には戻らず、調理の経験を積むためにレストランでの仕事を探した。「私の世界はまだとても小さく、世界を広げるためには外に出ていく必要があると思ったんです」とハイさん。
今年の初め、27歳になったハイさんは、故郷のコントゥム省ゴックホイ郡に戻り、店を開いた。各種のケーキやミルクティーも提供するハイさんの店は、田舎の子供たちへの贈り物にもなった。ハイさんはかつての自分のように、田舎に住む子供たちがわざわざ遠方に行かなくてもきれいなケーキを見たり買ったりできることを願い、この場所を選んだのだ。
ハイさんは1日中店に立って嬉しそうに接客し、かつてのような自虐的な様子は全くない。そして、行くあてのない子供たちや宝くじ売りの子供たちを見かけると、店に招き入れ、1切れのケーキを振る舞っている。
それでも、カフェに入ってきた客がハイさんの顔を見るなり慌てて立ち去ってしまったことも何度かある。「その瞬間の数秒だけは悲しいですが、すぐに立ち直ります。ケーキ屋を開くという夢は私の子供時代の全てであり、私が全精力を注いだ青春時代の全てでもあります。自分との約束を果たすことができ、心も軽くなりました」とハイさんは教えてくれた。