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記者が疑っていると、トゥイさんは「安心して。私は会社に勤めていて、あなたに紹介するお客さんは全員がお金持ちで地位のある人たちだから。お金は問題じゃないの」と付け足した。
記者は翌朝にトゥイさんと会う約束をし、彼女が働いているというカフェの住所に行くと、そこはただのエアコン付きのビリヤード場だった。間もなくして、きちんとした身なりのトゥアン(仮名)という男性が近づいてきて、ダラットの客のいとこだと名乗った。記者に会った目的は、外見を確認して客に報告するためだった。
トゥアンさんは「話し合う」ためにカフェへ行こうと記者を車に乗せた。メッセージを送ってきたトゥイさんは後から合流するという。そして、2人はビリヤード場から約3km離れたカフェに到着した。
トゥアンさんは記者に、身長体重、学歴など社交辞令的な質問をいくつか投げかけただけで、こういった仲介をするのは初めてでよくわからないのだと漏らし、トゥイさんを待つように言った。
トゥイさんは30分遅れて到着した。外見からは、彼女がシュガーベイビーの仲介人とは誰も思わないだろう。自称28歳のトゥイさんは小柄で、崩れたようにも見える美容整形顔。売春婦の仲介人のようなごてごてした装飾品は身に着けていない。
挨拶の後、トゥイさんは記者が本当に学生なのか、売春婦でないのか何度も確認してから、本題に入った。
「お客さんは40歳近いけれど若くてイケメンよ。ダラットにあるホテルのオーナーで、家族もいる。新型コロナウイルスの影響でホーチミン市にも来られなくて暇だから、ダラットまで来てくれる女の子を探しているの。報酬はすべて込みで、3日で900万VND(約4万2000円)。でも、まずあなたの写真を送って、お客さんが同意したらね」。
報酬の先払いはできるのかと記者がたずねると、「お客さんはもうデポジットを払っているから、あなたがダラットに行って相手をすれば、彼から直接あなたに残りを支払うわ。誰も横取りしないわよ。私のお客さんは全員がVIP客で、仕事のつながりもあるし、いいかげんな人はいないから大丈夫」と言い、記者がお金の心配をしていることにいら立ちを見せた。
こうした「ツアー」は単なる同伴でなく、いわゆる「セックスツアー」でもある。ただし、トゥイさんが仕事の顧客でもあるという男性たちにシュガーベイビーを仲介するのは、ビジネスの関係を維持するためであり、自分が受け取る仲介料もわずかで、一般的な売春婦の仲介人とは違うのだと説明した。
また、こうした客は27~28歳より上の経験豊富な女性たちには興味がなく、19~20歳の若い子や学生を好む傾向にある。外見にはそこまでこだわらず、ナチュラルさやあか抜けない感じのシュガーベイビーには、いくらでも報酬を支払うのだという。
なかなかイエスと言わない記者にトゥイさんは、ホーチミン市内の別の客も紹介できると言った。記者があれこれと情報をたずねていると、トゥイさんは突然記者のスマートフォンをつかみ、動画や写真を撮影したり音声を録音したりしていないか確認しようとした。
トゥイさんが写真のフォルダをクリックし、何もないことを確認すると、記者はスマートフォンを奪い返し、「私は学生で、もし情報が漏れてしまったら大学に通えなくなってしまいます」と言い訳をした。
「あなた、私服警察官でしょう?でも、私は男性と女性をつなぐ手伝いをしているだけでお金ももらっていないから。もし私を逮捕すれば、それは不当よ」と言いながら、記者を不審な目で見つめた。
別れ際、トゥイさんは記者に、また客がいれば連絡すると告げた。「あなたはまだ若いんだから、勉強の心配をしなさい。お客さんがいればまた連絡する。まだこの仕事をしたいのであれば、頑張ってお金を稼ぎなさい。数年後にはもうこの仕事はできないわよ。そうしたら大学の卒業証明書を持って別の仕事を探せばいいわ」とアドバイスした。