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このところ、「ベトナム英雄の母」であるゴ・ティ・クイットさん(女性・95歳)が暮らすホーチミン市の自宅では、はさみで布を切る音、ミシンのペダルを踏む音が絶えず聞こえている。クイットさんが、人々に配布するための布製マスクを手作りしているのだ。
「毎日テレビを見ているので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況についてはよく知っています。マスクを縫って皆に配ることなら無理なくできますし、国全体で感染症予防に貢献しているようなものです」と、クイットさんはミシンのほうを向いたまま語る。
95歳の高齢ながらも目はまだとても良く、自分で針に糸を通してミシンを踏む。マスクを縫う仕事を引き受けてからというもの、クイットさんは自分が若返ったような感じがし、精神的にも喜びに満ち、熱心に仕事に取り組んでいる。
ゴーバップ区5街区6地区の女性の会では、2か月前から感染症予防のためにマスクを手作りして住民に無料で配布する運動を行っている。数日前、マスク用の布を切るはさみが足りなかったため、女性の会のメンバーがクイットさんの自宅へはさみを借りに行ったところ、この運動を知ったクイットさんから「手を貸しましょう」と申し出た。