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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により行き場を失った農産物の「救助」が叫ばれる中、ホーチミン市クチ郡のレ・ズイ・トアンさん(男性・32歳)は、売れ残ったスイカやドラゴンフルーツを使ったバインチャン(banh trang=ライスペーパー)やブン(bun)、フォー(pho)を開発した。
数週間前、トアンさんは困っている農民を助けるため、売れ残りのスイカを買って帰りスタッフに分けたが、普通に食べていてはたくさん消費することができず、問題の解決にならないと気付いた。
以来、自身が手掛ける伝統的な米粉製品の強みを活かし、トアンさんはライスペーパーやブン、フォーと、スイカやドラゴンフルーツを組み合わせた商品の研究に取り掛かった。
「私の強みは、作っている商品が既に市場に出回っているという点です。今、農産物はとても豊富にあり、『救助』できなければ廃棄せざるを得ません。そして農産物の質も良い。それならば、自分の商品と農産物を組み合わせることで、農民を助けながら、伝統的かつユニークで斬新な商品を作ればいいと考えました」とトアンさん。
1週間にわたり研究と実験を重ね、ついに魅力的な商品が完成した。「最初の実験では、麺は固いし色は薄いし、味も美味しくなく、期待していたような完成品にはなりませんでした。そこでレシピを調整しましたが、まだ固い。やっとレシピの分量が整っても、今度は乾燥時の温度が足りず、麺の見た目が悪い。こうして、7~8回の調整を繰り返してやっと今の商品ができあがりました」とトアンさんは語る。
まず、新鮮なスイカをきれいに洗い、皮を剥いて小さく切る。種を取り除き、ブレンダーに入れて果肉を残しつつピューレ状にする。このピューレを、美しく自然なスイカの色になるよう適切な割合で米粉と混ぜる。茹で上がったブンは、柔らかさとコシがあり、スイカの香りがしなければならない。
現在のところ、トアンさんのところではスイカを使ったブンとフォー、ライスペーパーを作ることができるが、ドラゴンフルーツは小さな種があるためライスペーパーしか作れない。