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結婚式当日の朝、花嫁側の一団は薪を背負って花婿側の家へ向かう。花婿側は薪を受け取ると、代わりに衣服や織物、籠を花嫁側に贈るとともに、さばいたばかりの野ネズミやリス、ブタで薪を運んだ人々をもてなす。そして、午後になってようやく披露宴が正式に始まる。
「夫をつかまえる」のに十分な薪を集めるため、女性たちは親戚の力を必要とする。そのため、男性が気まぐれに心変わりしたり、女性を愛していないとなれば、これは女性側の家の努力を軽視しているのと同じことになる。逆に、男性も自分の才能を証明するために努力をしなければならない。
しかしながら、時が経つにつれて、薪を結納品とするジエ・チエン族の風習も徐々に変わりつつある。夫のそばに座り、イー・トゥイさん(女性・25歳)は、8年前の自分の結婚式について話した。
結婚式の日が近づき、トゥイさんは母親と畑に入って伐採し皮を剥いだクスノキ科の木と、短いのこぎりを結納品にした。「栗の木はもう森になかったので、私の家族は家に植わっていたクスノキ科の木をいくつかに束ねて、代わりにしました」とトゥイさん。
トゥイさんのように、現代のジエ・チエン族の女性たちは、栗の木やジタノキの代わりに自分で植えた木を使うことで薪集めの労力を減らし、森を守りながら、自分の民族の伝統をも守っている。