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チエンくんとともに一度ソンラ省に帰った父親は、病気の息子の看病のため再びハノイ市に戻った。このときはチエンくんに「おじいちゃんとおばあちゃんの言うことを聞いて、家にいること」と言い聞かせた。チエンくんも「今度もし弟が恋しくなったら、お父さんに写真を送ってもらいます」と話した。
同病院の医師は、「チエンくんの弟は肺炎と胆汁うっ滞を起こしており、治療も難航しています。さらに、チエンくんの家族は生活も苦しいのです。チエンくん自身も長時間にわたり自転車を漕いだため、ふくらはぎが腫れてしまっていました。サンダルもぼろぼろになっていました。道のりはとても危険だったろうに、彼は本当にすごいです」と話した。
そんな中、ホーチミン市の病院に勤めるある医師が、チエンくんが乗っていた自転車を1300万VND(約6万3000円)で購入したいと申し出た。自転車は前も後ろもブレーキがないが、チエンくんの想いに感動しぜひ譲り受けたいと思ったのだという。
「小学5年生のときに父親が中古の自転車をプレゼントしてくれたことを思い出しました。あの頃の気持ちがよみがえり、チエンくんの自転車を買いたいと思ったのです。今の彼の年齢と同じ数字の13 trieu(1300万)VNDで」とこの医師は語った。
チエンくんの「一人旅」がメディアで取り上げられてからわずか数日で、多くの人たちが弟の治療費やチエンくんの学費を支援したいと申し出ているという。