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―――全体を通して、ずばり見どころを教えてください。
どの国に行っても家族のつながりの大切さというのは共通の部分があるんじゃないかなと思います。この映画を通して、ベトナム人らしい家族の在り方、共通点や相違点を観ていただければ嬉しいです。家族の在り方というのは文化の在り方だと思いますし、日本人の方々がベトナムを理解する上で、日本の原作がどのようにしてベトナム人にはまるようにカスタマイズされているのかというのも面白みの1つなんじゃないかなと思います。
ベトナム人の方は、これが日本の原作だと知らずに観る人のほうが多いと思うんですが、ベトナム人の方が、(日本の原作だと)知らずに観て、面白かったと思ってくれたら嬉しいです。
―――日本やその他の国での公開予定はありますか?
日本での公開は、まだ確定はしていないんですけれど、3月、4月に映画祭で上映される予定で、それ以降、全国公開までいけるかわかりませんが、劇場公開を狙っています。他の国は、まずベトナムの興行収入の結果がどいうなるかというところからですかね。
―――最後に、今後の展望と、新たに挑戦していきたいことを教えてください。
今後の展望としては、プロデュース業も視野に入れてやっていきたいなと思います。監督ですと1年に1本、もしくは2年、3年に1本というペースなんですけれど、プロデューサーとしてベトナム人の監督とコラボしながら、日本の原作を含めて作品を制作していきたいという思いはありますね。あと、ベトナムの歴史物やミュージカルもやってみたいです。
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落合賢監督プロフィール
落合賢(おちあい・けん)
1983年生まれ。東京都出身。12歳から映画を作り始め、日本の高校を卒業後に渡米。南カリフォルニア大学(USC)で映画制作を学んだ後、アメリカ映画協会付属大学院(AFI)映画監督科に進学し修士号を取得。
短編と長編合わせて30本以上の作品を日本国内外で監督し、ショートショートフィルムフェスティバルで東京都知事賞(「ハーフケニス」2009年)および国土交通大臣賞(「井の中の蛙」2010年)、ローマ国際映画祭最優秀国際短編映画賞(「ハーフケニス」2009年)など数々の賞を受賞。2013年には、ウエンツ瑛士主演の「タイガーマスク」が公開。2014年公開の「太秦ライムライト」は、米国など世界中で広く上映され、大きな注目を集めた。
2016年12月公開のベトナム映画「サイゴン・ボディガード(Ve si Sai Gon)」で日本人として初めてベトナム出資、オールベトナム人キャストのベトナム語映画のメガホンを取った。現在は米国ロサンゼルスと日本に拠点を置いて活動中。
ベトナム映画「パパとムスメの7日間」は、五十嵐貴久氏の同名小説が原作。日本で2007年にドラマ化、韓国で2017年に映画化されている。ベトナム版では数々のヒットを飛ばしているチャーリー・グエン(Charlie Nguyen)氏がプロデューサーを務めるほか、「サイゴン・ボディガード」と同じくマイケル・タイ(Michael Thai)氏が脚本を手掛けている。