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ホーチミン市ホックモン郡に住むディン・ティ・リーさん(女性・26歳)は、身長93cm、体重は30kgにも満たない小さな身体ながら、IT技術を駆使して月に1億VND(約48万円)を売り上げる会社を経営する家族の大黒柱だ。
リーさんは紅河デルタ地方ハイズオン省ナムサック郡の小さな村で、4人姉妹の末っ子として生まれた。リーさんは幼いころから病気がちで歩き始めるのも遅かったという。「よその子が歩けるのに、どうしてうちの子はいつまでたっても歩けないんだろうと夢の中でも考えるほどでした」と母親のクエットさん(58歳)。末娘の将来を案じた両親は、自分たちが面倒を看ることができなくなったらリーの世話を頼むと、リーさんの姉たちに言い聞かせていた。
3歳になりやっと歩き始めたリーさんは、小学校へ上がると成績優秀な生徒になった。8歳になると上半身は成長したものの脚は伸びず、これを気にかけた両親がリーさんを連れて病院を受診すると、ホルモン分泌不全による低身長症であることが分かり、その時点ではもう治療ができないと言われた。
病弱なために身体が小さいものとばかり思っていた両親は、リーさんが生涯にかかわる病気だと知り落胆した。農業を営む両親は経済的には豊かではなかったが、家族はリーさんに溢れる愛を注いだ。雨の日も日差しが照り付ける日も、父親のシーさんはリーさんをバイクの後ろに乗せて学校へ連れて行った。リーさん家族の家は小さな村の中にあり商売には向かなかったが、両親はリーさんが少しでも多くの人々と触れ合えるようにと小さな雑貨屋を開くことにした。