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南中部高原地方ラムドン省ダラット市は、全国で唯一の「信号機のない都市」だ。そのため、交通整理を行う交通警察官も、他の都市より大変な任務を負っている。夏の観光シーズン、ダラット市の通りはいつも多くの車両で混雑している。特に週末は観光客を乗せた車両が増えるため、更に混雑する。
ダラット市人民委員会は今から2年前、ラムドン省人民委員会に対して、観光シーズン中の渋滞緩和に向けたいくつかの案を提出した。この中に信号機の設置案も含まれていたが、同省人民委員会は「信号機のない都市」という特徴を維持すべく、交差点のロータリーを拡張し、交通量を分散させることにのみ同意した。
ダラット市には、なぜ信号機がないのか。理由の1つは、地形の関係で同市の通りに坂道が多いため、信号機を設置しても坂道を行き来する車両にとって便利でないからだという。
60年間にわたりダラット市に住んでいるレ・タイン・トゥンさんによると、フランス植民地時代にダラット市を建設した際、フランス人は同市の人口を約9万人と少なく見積もったため、市内の通りを狭く、山沿いにうねった形で設計した。現在、同市の人口は25万人近くに達しており、更に毎年500万人余りの観光客を受け入れているため、車両は増える一方で、通りも更に「狭く」なってしまっている。