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当時、フエンちゃんは両親と2人の弟、ビー・バン・フォンくんとビー・バン・フンくんと5人で暮らしていた。平穏に暮らしていたある日、両親が出稼ぎに出ている間に家が火事に見舞われた。フエンちゃんはやっとのことでフォンくんを助け出したものの、障害を持っていたフンくんは逃げ遅れて死んでしまった。その後、母親は妹のビー・ティ・リエンちゃんを産んだ。
しかし数年後、フエンちゃんが小学校1年生のときに母親は突然家族を捨てて家を出て行った。3人の幼いきょうだいは困惑し、父親は子供を亡くし妻も失って自暴自棄になり、家を出て出稼ぎに行くようになった。以来、フエンちゃんは弟と妹のために母親と姉の2役をこなしている。
生活をやりくりするため、フエンちゃんは学校に行きながらお金も稼ぐ。学校を休めるときはカシューナッツの収穫を手伝いに行き、15~20kg収穫して約10万VND(約490円)を得る。カシューナッツの時期が終わると、雇ってくれる人がいれば何でもやる。米と魚醤が買うお金があれば十分だ。
父親がお金を稼いでくると、フエンちゃんは市場に行ってわずかな野菜と米を買い、備蓄する。きょうだいは野菜1束を何日もかけて消費する。あまりの貧しさから米を買うのがやっとで、フエンちゃんは肉や魚のある食事など考えたこともないという。