(C) vnexpress |
ホーチミン市タンフー区タイタイン街区に、行商人を支援するため私有地に市場を開設した男性がいる。同街区に住むリー・バン・ハップさん(70歳)だ。ハップさんは、当局から何度となく追いやられて苦しんでいる行商人を目の当たりにし、彼らが安定して商売を行うことのできる場所を作り上げた。
市場は19/5-T1運河通りに位置している。同地域では、2007年頃から道路開発の進行につれて人口が増加し、地方から来た人も多くなった。また、路上で食料品などを売って生計を立てる行商人も出てきたことから、当局が歩道占拠として行商人の取り締まりを行うこともしばしばだった。
ハップさんはかつて「当局」の人間で、1978年から1988年にかけて街区人民委員会副主席を務めていたほか、街区祖国戦線や農民協会などにも属して尽力してきた。そのため、交通安全の問題などから当局が秩序を確保しなければならないことも理解していた。一方、行商人らの行為は法律違反に当たるものの、彼らは貧しく、生きるために商売を行わなければならない。
こうした中、ハップさんは苦労の絶えない行商人に同情し、何とか彼らを助けようと2009年に市場の開設を決意した。