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ハップさんは妻と相談し、タイタイン街区人民委員会のサポートのもと当時の金額で5000万VND(約24万円)を投じて親から相続した19/5-T1運河通りの約800m2の土地を整備するとともに、電気・水道を通し、倉庫や屋根も設けた。そして、ここで商売を行うよう行商人たちを説得した。
名もなきこの市場では現在、野菜や魚、肉などの食料品を主に取り扱う約20店舗が商売を行っている。元行商人の1人の女性は、「以前は19/5運河通りの路上で野菜を売っていましたが、当局に商売道具を押収されてしまい、資金も失いました。そんな中、ハップさんが市場を開設したというので、すぐに応じました。立地も良く以前から顔馴染みのお客さんもいるので、商売も上々です」と話す。
ハップさんは、電気・水道代および市場の活動維持費として商人から1日につき3万VND(約144円)を徴収している。徴収した資金の一部は、貧困層に無料で食事を提供するために使っているという。
ハップさんは毎日のように市場に足を運び、商品の陳列や掃除を手伝ったり、商人たちと談笑をしたりし、和気あいあいでまるで家族同士のような関係を築いている。この市場の商人たちは、親しみを込めてハップさんを「お父さん」と呼んでいる。