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[特集]

「行商人を助けたい」、私有地に市場を開設した男性

2017/04/23 05:07 JST更新

(C) vnexpress
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 ホーチミン市タンフー区タイタイン街区に、行商人を支援するため私有地に市場を開設した男性がいる。同街区に住むリー・バン・ハップさん(70歳)だ。ハップさんは、当局から何度となく追いやられて苦しんでいる行商人を目の当たりにし、彼らが安定して商売を行うことのできる場所を作り上げた。  市場は19/5-T1運河通りに位置している。同地域では、2007年頃から道路開発の進行につれて人口が増加し、地方から来た人も多くなった。また、路上で食料品などを売って生計を立てる行商人も出てきたことから、当局が歩道占拠として行商人の取り締まりを行うこともしばしばだった。  ハップさんはかつて「当局」の人間で、1978年から1988年にかけて街区人民委員会副主席を務めていたほか、街区祖国戦線や農民協会などにも属して尽力してきた。そのため、交通安全の問題などから当局が秩序を確保しなければならないことも理解していた。一方、行商人らの行為は法律違反に当たるものの、彼らは貧しく、生きるために商売を行わなければならない。  こうした中、ハップさんは苦労の絶えない行商人に同情し、何とか彼らを助けようと2009年に市場の開設を決意した。

 ハップさんは妻と相談し、タイタイン街区人民委員会のサポートのもと当時の金額で5000万VND(約24万円)を投じて親から相続した19/5-T1運河通りの約800m2の土地を整備するとともに、電気・水道を通し、倉庫や屋根も設けた。そして、ここで商売を行うよう行商人たちを説得した。  名もなきこの市場では現在、野菜や魚、肉などの食料品を主に取り扱う約20店舗が商売を行っている。元行商人の1人の女性は、「以前は19/5運河通りの路上で野菜を売っていましたが、当局に商売道具を押収されてしまい、資金も失いました。そんな中、ハップさんが市場を開設したというので、すぐに応じました。立地も良く以前から顔馴染みのお客さんもいるので、商売も上々です」と話す。  ハップさんは、電気・水道代および市場の活動維持費として商人から1日につき3万VND(約144円)を徴収している。徴収した資金の一部は、貧困層に無料で食事を提供するために使っているという。  ハップさんは毎日のように市場に足を運び、商品の陳列や掃除を手伝ったり、商人たちと談笑をしたりし、和気あいあいでまるで家族同士のような関係を築いている。この市場の商人たちは、親しみを込めてハップさんを「お父さん」と呼んでいる。 

[Vnexpress, 26/3/2017 00:00 GMT+7, A]
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