(C) vnexpress 写真の拡大 |
(C) vnexpress 写真の拡大 |
彼らの野望はこれに留まらない。イプシーと同じくサンプルサイズの化粧品定期販売を手掛けるバーチ・ボックス(Birchbox)では、フルサイズの商品が同社利益の35%を占める中で、イプシーは依然として毎月のサンプルサイズセット登録者数を増やすことに集中している。
彼らは、化粧品市場は個人化の流れによってさらに成長を続けると予測し、イプシーが美容カウンセリングを受けたい人たちの集合場所になることを目指している。
これを実現するため、イプシーはビデオブロガー(vlogger、インターネット上でビデオブログを配信する人たち)向けのネットワーク構築に大きな投資をしている。ここでは、会員たちが毎月イプシーに関する動画を制作し、配信する。「彼らはただ毎月イプシーに関する内容のビデオを制作するだけで、後は彼ら次第です」とファンさん。
こうした活動により、インターネット上でイプシーは日に日に存在感を増し、もはや広告に大きな費用をかける必要はない。また、ビデオブロガーたちは動画撮影にイプシーのオープンスタジオを使うことができる。スタジオでは同業の人と知り合うことができるほか、知名度を上げたり、多くのイベントに関わることもできる。
イプシーによると、化粧品業界は現在、変革期を迎えているという。特に若い世代の女性たちはもはや、ショッピングセンターの化粧品カウンターや有名人を起用したブランドの店舗に出向いてカウンセリングを受けることを好まない。代わりに、彼らはインターネット上でファンさんのような美容専門家が制作するメイク講座の動画を探すのだ。
あるメディアが行った最近の調査によると、13歳から24歳までの女性たちの60%がYouTubeにアップされた個人ページを通じてメイクのアドバイスを受けているという。「美の基準、定義は変わりました。全ての人に向けた画一的なアドバイスはもはや需要がありません」とファンさんは話す。