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女性教師のダム・レ・ドゥックさんは、80歳を超えた今でも教壇に立つことに夢中で、老後のことなど考えもしていない。週末の午後、ドゥックさんは翌週の授業の準備で大忙しだ。彼女は、ホーチミン市の2つの学校で道徳を教えている。眼差しは輝き、足取りは軽快、話し声も朗々としていて、初めて会う人の多くは彼女が85歳だと知ると驚く。
彼女は毎朝4時に起床し、気功をするか公園で散歩をしてから、学校の事務所に行く。この習慣のおかげで授業をしても疲れないし、熱心に授業ができるのだという。そして、彼女の携帯電話には1人の電話番号も登録されていない。およそ100人の親戚や友人、同僚の電話番号を記憶していて、誰かに電話をかけるときは記憶をたどって番号を押している。記憶力を鍛えるためだ。
ドゥックさんの故郷は東北部地方クアンニン省クアンイエン町。儒教の家庭で育った彼女は小さい頃から勉強熱心で、12歳の時に試験に合格し、ハノイ市のドンカイン女学校の6年生に入学した。しかし翌年、家庭の事情により、故郷に帰って養蚕と織物の仕事を手伝わなければならなくなり、泣く泣く退学した。
18歳になると、一番上の姉がハノイ市の縫製学校へ通わせてくれた。学校では西洋とベトナムの服の縫製を学び、2学年の内容をたった6か月で修了し卒業した後、故郷に帰って仕立て屋を開業した。しかし、また学校に通うという夢も捨ててはいなかった。その後、大学に入るために仕立ての仕事を辞め、必死で勉強した。そして25歳の時、ついに総合大学の数学科に合格した。
大学を卒業すると、ドゥックさんは紅河デルタ地方ハイフォン市のいくつかの高校で数学を教えるようになり、後に市内の大学の教員となった。1983年、50歳を超えてからホーチミン市に移り、ホーチミン市経済大学の統計数理学科で6年間教鞭をとった後、定年退職した。