(C) thanhnien, ガイさんとハオさん |
3人で約5年間一緒に暮らした後、トゥーさんが亡くなった。その時、トゥーさんとセウさんの間には子供が1人しかいなかったが、その後セウさんとダウさんは6人の子供を授かった。
男性が複数の妻を持っても、子供の母親はすぐにわかる。しかし女性が同時に複数の夫を持つと、子供の本当の父親が誰なのかがわからない。フェンさんも同じで、7人の子供のうち1人については、どちらの夫の子供なのか断定することができなかったという。
考え方の変化
この奇妙な結婚は大昔の話のように思われるが、つい数十年前まで続いていた実話だ。それでも半世紀以上が経ち、現在のラーガウ村、ラーザ村の青年たちの考え方は昔とずいぶん変わってきている。
「この10年余りの間、私たちはこの風習をやめさせるべく啓発活動に注力してきました。男女が愛し合い、結婚する時には法律を遵守し、一夫一妻制を貫徹すべきです。結婚する時は、当局による結婚証明書を取得しなければいけません」と、ラーガウ村のある幹部は話す。
この古い風習の中で過ごしてきた生き証人だという男性も、コホ族の多夫多妻の風習は淳風美俗にそぐわず文明的でないと認めている。「この風習がいつから始まったのかはわかりませんが、私が小さい頃には既に存在していました。良いものは残すべきですが、良くないもの、文明的でないものは排除していかなければならないのです」。
若者たちは意識的に昔の風習を変えようとし、また地元当局は女性団体や地域グループと協力して積極的に啓発活動を行った。これにより、現在では多夫多妻の状態はほぼ存在しなくなったという。